館主のことば

渋谷長寿健康財団

研究員

大田浩右

 

“憂き世を浮き世にして面白おかしく生きなきゃ損々”

 

こんな小唄が江戸時代にある

難しく考え難しく生きるとしんどいばかり

サムサーラすると気持ちのこだわりが消え、とにかく心が楽になる

mind fullness サムサーラ

サムサーラとは今生きていることの幸せにあなたの心を集中させることです。

本来私たちの心は大らかで幸せで満たされているものです。

しかし、日々の人生経験の中にある種の考え方の癖、考え方の歪みが次第に固まっていきます。

サムサーラは意識をはく息に集中することによって、私たちが本来持っている純粋な心を取り戻します。

呼吸の神秘

呼吸をコントロールしているのは動物脳の深いところに位置する延髄・橋・視床下部というところです。延髄・橋は直接的に呼吸のリズムを作っています。視床下部は間接的に呼吸を調節する自律神経の中枢なのです。

自律神経支配の中で唯一呼吸は自分の意思によりある程度はコントロールできます。

その理由は呼吸筋にあります。3種類の筋肉のうち、心筋と平滑筋は不随筋ですが、呼吸筋は横紋筋という随意筋だからです。

呼吸には吸息運動と呼息運動があります。吸息運動は交感神経支配、呼息は副交感神経支配です。

私たちは日常生活において、吸息運動優位の生活を送っています。すなわち、交感神経優位の生活です。

意識してはく息を長~くする呼息リズム呼吸(はく息リズム)は副交感神経を活性化します⇒これがサムサーラです。

副交感神経優位の生活は、血圧を安定させ脈拍を減らし血糖を安定させ腸管運動を活性化させます。

脳では動物脳(感情・情動)を沈静化させ、人間脳(理性)を活発化させます。

結果として、気持ちは鎮静し、心は楽になり、幸せな気持ちになります。

 

サムサーラとはなにか。

分かりやすく一言で言うならサムサーラはイメージ療法です。

サムサーラとは呼吸法を使った”心の掃除” "心のリニューアル” です。

吸う息の2倍3倍長く息をはきます。息をはき出す時、心に溜まったわだかまりを一緒にはき出すイメージ療法です。

私の勤務している明神館クリニックでは、心の痛みに苦しむ患者さんに対し認知行動療法と言う治療を行なって来ました。

認知行動療法とは、思考の癖、認知の歪みを正す治療です。

心の痛みを生み出す自動思考の癖や認知の歪みに気付き、その癖や歪みを是正することが出来れば、

心は随分と楽になります、が、、簡単ではありません。

例えば思考の癖であるマイナス思考をプラス思考に変えるのは、以外にも難しいことを多くの人が知っています。

私は代表的な思考の歪みであるマイナス思考、100点か0点、べき罠、過小評価から思考の向きを変える方法として、患者さんに輪ゴムパッチン療法や魔法の鏡療法を勧めてきました。

この度のサムサーラは、私自身が妻を失い病院を譲り大きな喪失感に苦しんでいた頃、己の心を癒したいと浦安資料館でろうそくの揺らぎと呼吸に集中する禅瞑想に取り組んでいました。しかし心の痛みを断捨離する難しさ、自動思考を変える難しさを知りました。

私たちは日常生活において、不要なものを捨て必要なものに入れ替える断捨離は心を快適にしてくれることを経験上よく知っています。

心の断捨離の場として、私が禅瞑想に使っていた浦安資料館仏像群の非日常的な異空間を活かし、認知行動療法マインドフルネスとして形にしたのがサムサーラです。

サムサーラは誰でも出来る認知行動療法

サムサーラは誰でも出来るマインドフルネス

サムサーラは誰でも出来る自律神経訓練法

サムサーラは呼吸法により心を楽にすることを目指しています。

 

サムサーラは”はく息リズム呼吸”です

乳幼児は吸気にポイントを置いた吸息リズム呼吸ですが、成長するに従い、はく呼気にポイントが移っていきます。

大人は呼息リズム呼吸(はく息リズム)です。

私たちの平素の呼吸は1分間12回呼吸です。

  

サムサーラの”はく息リズム呼吸”とは

 1分間6回呼吸 ・・ 10秒で1回 

 1分間5回呼吸 ・・ 12秒で1回 

 1分間4回呼吸 ・・ 15秒で1回 

 1分間3回呼吸 ・・ 20秒で1回 

 1分間2回呼吸 ・・ 30秒で1回 

 

ゆっくりと”はく息リズム呼吸”は副交感神経を活性化します。

呼吸の効果

乳幼児は吸気にポイントを置いた呼吸リズムですが、成長するに従い、呼気にポイントが移ってきます。fMRIの研究により、吐く呼吸である呼息運動に意識を集中した瞑想者はDMN領域(デフォルトモードネットワーク)の活性化が低いという結果が得られました。これは何を意味するかと言えば、DMNは最近存在の分かった宇宙のダークマターのように脳科学では未知の分野でした。人が何もしていないぼんやりとしたときの脳活動を調べる研究は予想外な結果に至りました。このぼんやりとしているアイドリング状態の脳をfMRIで調べると、多くの分野が活性化していることが分かりました。久賀谷亮によると、このDMN領域が脳全体の60%以上のエネルギーを消費しているという報告もあります。一日数万回も浮かんでは消える自動思考は、このDMNが作り出しているのかもしれません。吐く呼吸に意識を集中した瞑想呼吸はこのDMNを鎮静化させ、脳の疲れを回復させる作用があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出典『TEETER TOTTER』HPより

マインドフルネスと瞑想の神経メカニズム:神経画像研究からのエビデンス

最近の脳科学は脳機能の局在を調べることのできるfMRIを用いて瞑想のメカニズムを解き明かそうとしています。

World Journal of Radiology 2014 July 28;6(7):471-479 ⇒詳細はこちらをご覧ください。

Neural mechanisms of mindfulness and meditation:Evidence from neuroimaging studies.

 

 

デフォルトモードネットワークDMNは脳の疲労軽減のカギ

大脳の安静時デフォルトモードネットワークDMNは80%ものエネルギーを使っている。

DMNの部位とfMRIの活動変化の一致

 

出典:伊藤誠二 痛みの生化学 最近20年の進歩 図8を改変

Journal of Japanese Biochemical Society 89(6): 841-855 (2017)

 

ストレスが生み出す考え方の癖や考え方の歪み 

・過労、怪我、痛みなどの体のストレス

・心労、人間関係などの心のストレス

・光、音、臭いなどの環境ストレス

・遅寝、短時間睡眠などの睡眠ストレス

この4つのストレスは、いずれも自律神経を乱し、動物脳(中脳・視床・海馬・扁桃体など)を興奮させ、動物脳が分泌しているホルモンと自律神経を乱し、動物脳を取り囲んでいる人間脳(前頭葉・側頭葉など)を混乱疲弊させます。その結果、不眠、めまい、頭痛、動悸、便秘、生理不順、味覚異常、シビレ・ピリピリ、ピリピリ痛、パニック、うつなどの脳過敏症となるのです。

”はく息リズム呼吸”は健康維持にとても大切です。毎日数回、長く息をはく一分サムサーラして呼吸を整えて下さい。あなたの人生が変わります。

mind fullness サムサーラは認知行動療法のこと

人の心は理性脳が感情脳をコントロールしています。

理性は前頭葉という新しい脳の作用、感情は大脳辺縁系という古い脳の作用です。

前頭葉が疲れると古い感情脳をコントロールする力が落ちます。

この前頭葉を元気にするのが認知行動療法サムサーラです。

1分間サムサーラのすすめ

一般には毎日10分の瞑想が推奨されています。

サムサーラのおすすめは1分間瞑想です。

誰でもできる1回12秒呼吸を5回です。

慣れれば1分間に4回呼吸、3回呼吸は可能です。

食事の前、コーヒーの前、消灯前

毎日数回行えば

あなたはサムサーラの効果を実感します。

 

サムサーラとは

時間はゆっくり流れる

脳波に同期する不思議なおりんの響き

感覚をさます闇と静寂

 

過去に蓄積したこだわりをはき出す心のデトックス

はく息と共にこだわりをはき出すイメージをふくらませて下さい。

希望の明日で心を満たすマインドフルネス

サムサーラのキーワードは明日

明日があるのが生、明日がないのが死

生と死のキーワードも明日

心のデトックス、心のマインドフルネス

サムサーラは、

おりんの響きが心を清めます。

ゆっくりと、鼻から息を吸い

ゆっくりと、唇から息をはいて下さい。

はく息と共に蓄積したこだわりをはき出して下さい。

 

おりんの響きによって

心に付着した煩悩が

次々と剥がれ落ちるイメージをふくらませてください。

煩悩は次々と剥がれ落ち

心はデトックスされ、軽くなっていきます。

 

過去から抜け出し

現在を超え、未来を夢見て下さい。

真っ白な未来、希望する未来のイメージを

力強く描いて下さい。

美しい未来で満たされた時、マインドフルネスを感じます。

 

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昔の記事を参考までに載せました。

 

断捨離にはコツがある 1

量子論という最新の物理学では、時間は未来から現在、過去へと流れている。その逆はない。過去へのこだわり、現在へのこだわりを捨て、未来を見据えて生きることは、量子論的に正しい生き方。正しい生き方には、過去を捨てなければならない。すなわち、心のデトックス。ゆっくりとした深い呼吸と瞑想の中に、こだわり過去への断捨離を念じて下さい。蓄積した過去は重い。過去を捨てたいと、力んでみても簡単に出ていく相手ではない過去を咀嚼し、受け入れるなら、過去も納得する。平素忘れている深呼吸 深呼吸は、自律神経を元気にする。気分転換、元気回復サムサーラ

 

断捨離にはコツがある 2

科学では時間は未来→現在→過去に流れると考えられている。

ところが、人は、子どもから大人、そして老いていく自分の姿に、時間は直線的に未来に流れていると錯覚している。

過去から未来への流れは、私達の脳が生きていく上で、都合よく作り上げた時間なのだ。

私たちの日常生活では、随所に未来が現在に大きく関わっている。

人は、未来の結婚に備え、未来の出産に備え、来春の受験に備え、明日のデートに備え、意識的・無意識的に、現在を行動している。

すなわち、未来は現在に大きな影響を与えており、時間は未来から現在に流れているのだ。

過去にこだわると、あるべき未来が歪められ、本来の未来が見えなくなる。

だから、素直に未来に向かって生きるには、過去へのこだわりを捨て去ることが大切。

脳は過去の蓄積した情報と最新の情報、そして未来の予測値から、都合よく現在を作り上げている。

作り上げた最適なはずの現在が、時にしんどくなるのは、必ずしも脳が最適な現在を作り上げていないからだ。

脳が休んでいる睡眠中に見る夢はどうだろう。脳の支配を受けない夢は、過去現在未来、そして、この世のものとは思えない異次元まで、自由に行き来する。相対性理論の言うように、過去現在未来の時空が同時に存在するのかもしれない。

脳によって過剰に支配された過去と現在を断捨離することは、本来の時間の流れを取り戻し、癒される未来に行く近道となるはずだ。

サムサーラを繰り返すことによって瞑想エネルギーは強まり、こだわりで歪んだ過去と現在の時空から、未来の時空に旅するワームホールとなる。

 

断捨離にはコツがある 3

過去、現在、未来という時間の感覚は、人の意識が作り出した錯覚である。人は夢という無意識の世界では、時空を超えて自由に過去未来に行き来する。アインシュタインの相対性理論は、過去現在未来の時空は同時に存在するという。私たちは、夢の世界で相対性理論を体験しているのだ。

 

「意識」とは何か…これは大むかしから世界中の哲学者や思想家が考え続けてきたことだ。 最近では、脳科学者や量子物理学者たちが、人の「意識」は、肉体が滅びても生き続けるという説を、さまざまな「量子科学的」な事実から提唱している。 日常生活では、私たちは量子論のような超ミクロの世界を感じ意識することはできない。しかし、見えないけれど、実際に存在している世界があるのは確かだ。 サムサーラは、闇と静寂と深い呼吸によって意識の世界と無意識の境界リンボーにある瞑想の世界を目指している。闇という視覚から遮断された空間で、深い呼吸のリズムに意識を集中し、断捨離を念じ未来に希望を念じながら、限りなく無意識に近づくと、そこに時空を超えた別の世界を感じることができる。 今、見えている世界で生き辛さを感じながら、過去現在に捕らわれて葛藤する人…、今の世界が唯一絶対だと思い込んでいる人。…それは違うんだ、別の世界があるんだよ、今見ている世界は、あなたの意識が作り出したものだから…そう、あなたの潜在意識の中にあるもう一つの意識を目覚めさせなさい、それが癒しであり、平和に生きるために必要なのだ。今つらいと思っている世界はあなたの意識が作り出したもの、だから…作り変えるのもあなたしかいないのだ。

 

自分を探す出会いのサムサーラ

どんなに、あがいても

人は、いつか、老いて、逝く。

だから、私は

人に左右される。

嫌な自分を捨てたい。

我欲を捨て

裸の自分に戻りたい。

はずだ、べきだと

固まってしまった自分を捨てたい。

おりんの響きの中に

こびりついた煩悩が

一つ一つ剥がれ落ちていくイメージを膨らませ

自分の夢(未来)は、何だったのか

素直に、未来を

瞑想してみよう。

大田浩右 公式ホームページ 

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